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【普通分娩】実習学生さんと乗り越えた出産~後編~

インスタグラマーのkcママ様の出産レポの後編です。
とうとう赤ちゃんに出会えます。臨場感あふれる出産までの様子を是非ご覧ください。

前編はこちらです!

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9月3日13:30頃
処置室でDr.に見てもらうと、予感的中!子宮口が開いて(4~5cm)バルーンが落ちてた。
『すごいすごい!バルーン落ちてる!』『せやろ!そんな気してんな~!』と、Dr.と助産師さんの声がカーテン越しに聞こえる。
Dr.と助産師さん気が合うんやなーと思い、なんか安心感が芽生える。(大きな病院だったので助産師さんも多かったが、クールな担当ドクターとタメ口の人は初めてだったので。)

促進剤(点滴)始めることが決まる。
夫→子猫に餌をあげるためにいったん帰宅。
どうやらこの辺から、安定して10分間隔で陣痛が来ていたらしい。

14:30 点滴スタート
痛みがやばい。自分で目が虚ろなのがわかる。もう出してしまいたいと何度も思うが、まだ子宮口4~5cmという絶望感。
産まれるのは夜やな・・と虚ろに思う。遅くなったらお母さんのホテルどうしよう・・(母は昨晩近くのホテルに宿泊)。子猫一人でさみしがってるかな・・と、いろんなことを考える。

腰のさすり方が、学生さんの不安に満ちた弱いものでは物足りなくなる。学生さんの先生と交代。すごく上手で心地よい。
また学生さんに戻りそうだったので、学生さんには本当に申し訳ないけれど『先生がいい・・』と息も絶え絶えにお願いする。でもこれは言って正解だった。

この辺から時間は不明。
痛すぎ
やばい
意識が飛びそう
次の陣痛が怖い

陣痛の兆候を感じた時の恐怖感
『くるくるくるくる!!』『きたきたきたきた!!』『痛い痛い痛い痛いーーー!!』の繰り返し。

内診するから歩こうと言われ、また絶望。内診する処置室は遥か遠くの廊下の端。あまりに私が痛がるので、隣の分娩室での内診へ変更。
『あの台に乗って!』『えっ!!(自分で?)』でもそんなこと言ってる余裕もなく台の上へ。
台に上るの痛すぎ。登って寝転ぶ恐怖。この辺からタメ口が増える。まっすぐ伸びてる分娩台を見て『あんなに遠くまで無理!!』って言ったのは覚えてる。
『支えるからゆっくり倒れて!』と言われて倒れる。同時に背もたれも上がってきて体をキャッチしてもらう。
身体はまっすぐ伸びることは免れたけど、激痛。この間も陣痛は容赦なく来る。その時何の内診だったかは覚えてない。助産師さんが私のお腹に触って、筋腫がパンパンに張って痛そう、と言っていた。

私には、赤ちゃんを挟むように前後にふたつの子宮筋腫がある。この時二つともに6~7cmになっていて、前にある筋腫はぽっこりと膨らみ、お腹の上から見てもわかる状態。

助産師さんがこの後16時までに促進剤のレベルを10まで持っていこうと思ってる、と笑いながら言ってた。促進剤って人が調整するんや・・まだきつくなるんや・・と思った。
恐怖心から本当に何も調べてなかったので、助産師さんが調整していたことにぼんやりびっくりした。レベル10まではあとどれぐらい?今何時やろ?今のレベルは・・?とぼんやり思うけど、心身ともに聞く余裕がない。

陣痛室に戻る。


ドアとのころでまた陣痛。しゃがみ込む。夫の姿がガラス越しに見える。よかった、帰ってきてくれてる、もういつでも産める・・。
部屋に入りベットに腰掛ける。掛けると同時にまた激痛。助産師さんに抱き着いて痛みを逃す。痛い時間が長くなって、陣痛の間隔が短くなってきたような気がする。

部屋にある妊婦さんが座るゆらゆら椅子に座り、ニヤニヤして夫がこっちを見てる。普段は偉そうな私が苦しんでるのが面白いんやろな、と察知し、しんどいながらに腹が立つ。

助産師さんが急に消える。めちゃくちゃ不安。助産師さんが戻り、お産を進めると言われる。
・赤ちゃんにストレスがかかってる
・へその緒も巻いてるのが心配

って話だったと思う。(へその緒が首に巻いているのはもともと分かっていた。)
だからこれから破水させる。そこから一気に進むかもしれないとのこと。
はぁはぁ言いながら頷くのが精一杯。処置室へ移動するように言われる。
『え・・たった今戻ったのに・・処置室まで行けなさそうやから、分娩室で内診したとこやのに・・?』と、朦朧と思う。
でもお産が進むなら!という一心で立つ。部屋を出てすぐ陣痛が来て座り込んでしまう。立ってられない。
助産師さん、学生さん、先生に抱えられる。

破水

部屋を出てすぐに陣痛。座り込んでしまう。処置室まで何回座り込んだだろう・・。遠くて痛くて座り込むたびにまた立つのもつらい。
やっと内診。
『もうパンツも靴も履いたままでいいから!』と言われ、座ると同時に激痛。『痛い痛い痛い!!』ずっとそれしか言えない。助産師さんに叱られる。
昨日からずっと手にしてるタオルを咥えさせられ、『私をしっかり見て!目開いて!呼吸して!ちゃんと吐いて!ハァハァしすぎ!声出したら自分がびっくりしてパニックになるだけやから声出さないよ!』
涙目で必死にうなずき、言われたとおりにやる。
フーーーの3秒ほどかけて息を吐きだすのが苦しくて苦しくてできない。震える。冷静にフーーーなんて無理。
陣痛中、目を開くことと息をゆっくり吐き出すことが一番つらかった。

Dr.の内診。
『めっちゃ進んでる!もうそこに髪の毛見えてるよ!ほら見て!』と助産師さんに言う。クールなDr.の興奮した声を初めて聞いた。
『そやろ!いい感じに来てると思うねん!破水させよう!』同時に学生さんに分娩室の準備を指示。『次の陣痛で破水させるよ!』と言われると同時に陣痛。
痛い。とにかく痛い!!
でもジュワッとしたものが出てきて、ポタポタと床に敷いてある紙に落ちる音がする。「破水した・・・・・」

『よし行こう!』と言われパンツを履かせてもらうが、学生さんがナプキンを持って行ってて助産師さんが走る。『一人にせんといて!』と思うけど声にならない。
すぐに戻ってきてくれて違う学生さんと二人で助けてくれる。立ち上がると同時に痛み。また座り込んでしまう。処置室からでるのも一苦労。
ヤバイ、もう無理・・。
陣痛が引いた瞬間に部屋に戻りたくて頑張ったけれど、すぐにまた座り込んでしまう。四つん這いの状態で『息ができない・・苦しい・・!』と絞り出す。
本当はしゃべる余裕なんて全くないけど、これを伝えないと本当にもうダメだと思った。とにかく助けて欲しかった。
『できる!大丈夫!吸うより吐いて!』と助産師さんに言われるが辛い。
立ち上がり必死に歩く。助産師さんの歩きが早く点滴が抜けそうになる。
案内されたのは陣痛室。え?まだ?まだ分娩室じゃないの?
こんなにいっぱい出てるのに何で?(破水後ずっと羊水が出てる感覚あり)

ベットに腰掛けると同時にまた陣痛。助産師さんにしがみつく。助産師さんがもう一人のスタッフの方に分娩室の状況を見てくるように指示。助産師さんに言われて夫がうちわで扇いでくれる。『強すぎひん?』と助産師さんに言われ、大丈夫と言ったものの何か強い気がする。
夫の顔をやっと見て『強すぎ』。夫ヘラヘラしてる。もうその顔にイラっとも来ない。その後は『ちゃんとして』とか『風きてない』とか散々偉そうに言った気がする。いや、確実に言った。

とうとう分娩台へ

分娩室の準備が整ったと報告が入る。
この辺からもういきみたくていきみたくて、呼吸の最後はお腹にすっごい力が入る。助産師さんもそれでいいって言ってくれた。
『力入れたくなってるよね、いい感じ!!』
とにかく痛くて辛い。分娩室に移動。もう夫と母の顔を見る余裕ゼロ。行ってくるね!とかも言えない。

分娩台に座ると同時にまた陣痛。また寝転ぶように言われる。
『遠い!』って言ったらさっきと同じ流れになったから、身を委ねて倒れたら全然タイミング合わず、体がほぼ水平になりかける。
『痛い痛い痛い痛い!!』と大声で言ってしまう。
ここから人が増えてバタバタし始める。こっちはもう限界。
『なんか出るーー!お尻からなんか出るーー!』陣痛も来て、痛い痛い痛い!
いつの間にかDr.もいる。
助産師さんより『kcママさん!これからもうお産を進めます!パパも呼んできれいな状態で赤ちゃんを迎えてあげたいから、もうちょっと我慢して!』って言われたと思う。うんうん、と頷く。
・・・夫と一緒に赤ちゃんを迎えたい!!でも早く来てほしい!まだ??
一気に全員が手術着になっていく。

『パパ呼んでー!』『スポイドください!』『スポイドまだ?!』『パパまだ?!』『スポイドくださーーーい!!』『パパどうですかーー!』『吐いて吐いて!』・・と、色んな声が飛び交う。
助産師さんがスポイド洗浄&ちょっと除毛。
分娩室の扉が開いて、黄色の手術着を着た夫が入室。
・・・よかった
これで産める・・・


陣痛が来る。勝手にいきむ。怒られる。
『kcママさん!kcママさん!こっち見て!目は閉じない!おへそ見て!力入れるなら息止めて口閉じて!目開いて!』と足の間から助産師さんに言われる。
右手に助産師さん、左手に夫。助産師さんが夫に私がおへそを見えやすいように背中を支えるように伝える。私にはしっかりレバーを持つように言う。

夫に支えられておへその方を見ると、すごい人がいた。合計7人もいてくれてびっくりする。
足の間には右から助産師さん、学生さん、Dr.、学生さんは手術着の後ろの紐が結べていない。
ちょっと切ろうとDr.。麻酔チクッとするがどってことない。すぐ切られたのも分かった。すごく怖かった会陰切開は何てことなかった。
その間にも陣痛は激痛。助産師さんに何度も『息止めて!目開けて!kcママさん!!苦しかったら一回吐いていいよ!!はい頑張って!!』と言われる。
多分こんなのを3回ほどした。
それまでは学生さんが中央にいて頑張ってくれてたけど、最後に助産師さんが動いた!助産師さんの肩が上がって、両手がお股の方へ。
頭が出た気がする!
気がするのにドゥルン!てのはない。
あれ?まだ?と思ったら、Dr.と助産師さんが一気にお腹を押す!!
やばいやばい!!『痛い痛い!!』って言った気がする。
とにかくパニック。それと同時にドゥルン!!


娘 誕生

学生さんが赤ちゃんを高く上げてくれる。鬱血した赤ちゃんが見えた。
黒っぽいへその緒が首に巻いてる。
放心状態で、私も夫も感情が出ない。横から15分です!って声。
おめでとうございます!っていろんな人が言ってくれる。夫がポンポンしてくれる。声をかけてもらった気がするけど覚えてない・・。

赤ちゃん・・・赤ちゃんは?

ボーーっとする中で学生さんがへその緒を引きずり出してるのが分かる。ゼリー状の生暖かいものがドゥルドゥル出てる。これが胎盤か~ってぼーっと思う。
気づいたら夫がいない。ふと見ると、少し離れたところで赤ちゃんの処置を見てる。ニタニタして赤ちゃんを眺めてる。
泣き声がなかなか聞こえなくて、聞こえてもちょっとで小さくて不安。
『赤ちゃんの声ってこんなもんですか?』って聞くと、『うーん・・でもいい色してるし大丈夫!』って。大丈夫と言われても不安。

赤ちゃんと対面

やっと赤ちゃんがこっちに来る。包まれて、私の左側に来た。
可愛い。小さい。やっと会えた・・・
2019.9.3 16:15 2,895g
陣痛時間(10分間隔以降):約3時間15分

最後に

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
こうやって生まれた娘が、2歳の誕生日を迎えます。
とても感慨深くて、娘がかわいくてたまりません。
辛かったけど、赤ちゃんを見た瞬間、
痛かったのも 辛かったのも
ぜーんぶ忘れるってホントだった!!

産まれてきてくれてありがとう♡

元の記事:kcママ(@mam_kc) • Instagram写真と動画

ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。