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【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#5

出産レポ①〜④でも書いた通り、私はパニック障害である。だから出産に際しては「分娩中にパニック発作が起きないか」ということが一番の不安だった。

①⇒【LDR】なかなか壮絶!パニック障害の出産レポート#1 | 出産情報サイトママーレコーレ (mamarecolle.com)
②⇒【LDR】不安的中。パニック障害の出産レポート#2 | 出産情報サイトママーレコーレ (mamarecolle.com)
③⇒【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#3 | 出産情報サイトママーレコーレ (mamarecolle.com)
④⇒【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#4 | 出産情報サイトママーレコーレ (mamarecolle.com)

今回は、麻酔注入から我が子出産の瞬間までの出来事について綴りたいと思う。

ついに麻酔を打つ時が来た

発作が出てしまい、麻酔が打てない状態が続いていた。
その間も陣痛は容赦なく襲ってきて、もう意識は崩壊寸前。

そうして、どれくらいの時間がたっただろうか…。
ついに私は「薬(抗不安薬)を飲んでもいいですか」と助産師さんに声をかけた。助産師さんが「確認します」と言って去っていき、しばらくすると先生が部屋に入ってきた。

「パニックが辛いなら飲んでも良い」とのことだった。

元々はお守りとして持ってきていた薬。
できることなら飲みたくなかったが、その時は、もう飲まずにはいられなかった。
※ちなみに、妊娠中の服薬については、医師によって「飲んでも問題ない」「飲まない方がいい」など見解が様々だった。私は飲まないに越したことはないと思い極力控えていたが、もしパニック障害の方がこれを読んでいたら、必ずご自身でお医者さんに確認してください。

薬を飲んでしばらくすると、少し気持ちが落ち着いてくるのが自分でも分かった。だが飲むのが遅かったせいか、恐怖心は完全にはなくならなかった。
今ならもう麻酔を打てるだろうか…まだやめておいたほうが良いだろうか…そんな感情が私の中でせめぎあっていた。

陣痛に耐えながら、どうしようどうしようと思案する私に、夫が「麻酔を打って、少し休もう」と声をかけた。
それを聞いて「もう大丈夫かな、大丈夫だよね」と自分に言い聞かせる。

そして21時。意を決して麻酔を打つことに。

最後にからだを動かしておきたくて、麻酔の直前に点滴やらNSTやらたくさんの管をつけた状態でトイレに行った。歩いたことで少し気分が落ち着いたようだった。

夫が病室を出て行き、麻酔科医が入ってきた。

私は深呼吸を繰り返す。助産師さんが私のからだを横向きにし、背中の方に穴のあいたシートを被せた。お腹をかかえるような体勢をとるのだが、何しろお腹が出ているのでこれがなかなかしんどい。助産師さんも私のからだが動かないようにぐっと押さえてくれた。

このときも、動悸はいつもより速かった。パニックは、ふとした瞬間に恐怖の針が振り切れるので、そうならないように懸命に気持ちを落ち着かせた。

まず、痛み止めの注射が打たれた。やや痛かったが、それより処置の最中にも来ていた陣痛の方がはるかに痛かったので、注射自体はなんてことなかった。

その後カテーテルが挿入されると、背中を冷たいものがつーっと通る感覚があり、しばらくするとじんわりとあたたかくなってきた。少し痺れるような感覚もあった。
※ちなみに、私が行ったのは硬膜外麻酔といって、背中から硬膜外腔にカテーテルを挿入し、麻酔を注入する方法。

麻酔の処置は数分で終わった。

その後すぐに導尿カテーテルの挿入と内診があったのだが、全く何も感じなかったので驚いた。

先程までの痛みが嘘のように消えた。
このときの私のメモにはこう書かれていた。

「麻酔、神」(よほど感動したんでしょうね)

無事麻酔の処置が済んだことと、痛みが消えたことで安堵し、恐怖心も薄らいできた。

話す余裕が出てきたので、助産師さんに「麻酔分娩じゃなかったら、産む直前は先程までの陣痛のさらに何倍も痛いんですよね…」と問うてみた。

「そうねえ。でもまあ、さっきのも結構強めのハリ(陣痛)でしたよ」

え、そうなの?!産む直前はあの何倍も痛いのかと思っていたのだけど…。

「そういえば、ダンプカーに轢かれる感じって言っていた人がいましたね」

ダンプカー。

そら痛いわ。私も「轢かれた」とは思っていたけど(レポ④参照)、乗用車くらいだったと思う。ダンプカーと聞いて、やっぱり麻酔を打って良かった…と思った。

21時半に夫が戻ってきた。夫とも普通に会話できるほどの余裕があり、先程までの地獄の時間が幻だったのではと思うほど心身ともに落ち着いていた。
そして、怒涛のラストスパートがはじまる・・。

ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。