Menu

【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#5

そして母になる

生まれた瞬間「わぁ、本当にどぅるんって感じなんだなあ…」と思ったことは覚えているのだが、正直なところ、それ以外の感情はよく覚えていない。

感動するほどまだ気持ちが追いついていなかったと言うか、あまりに非日常的な時間を経て、目の前にあるものをまだ現実として受け止めきれていなかったのだと思う。

結局、本番でいきんだのは5、6回くらいだろうか。
記憶が曖昧だが、分娩体制に入ってからは30分もかからなかった。

その後、会陰縫合などをして、カンガルーケア。
初めておっぱいもあげた。おっぱいをあげようとしたとき、助産師さんから「分娩中に薬を飲んでいるので、念のため先生に確認してきます」と言われ、薬を飲んだことに対する罪悪感がこみ上げたが、先生からの許可がおり、無事あげることができてほっとした。

思っていたよりも大きめだった我が子。
目は腫れ、全身を真っ赤にして、大きな声で泣いていた。

0から、無から、私と夫がこの子を作り出し、10ヶ月間私の一部として育て、そしてそれを、文字通り「生み出した」のだと思うと、目の前にいる我が子が、とても神秘的な生き物に思えた。

出産を振り返って

母子手帳に記された私の分娩時間は、陣痛が本格的になった前日の朝5時頃を開始とし、28時間半だった。
だが体感的には、おしるしが来た前々日の未明から「出産」という出来事がずっと続いていたので、あまりにも長かった

恐れていたパニック状態になってしまい、その瞬間は、もう本当にダメかもしれないと思ったが、結果としては麻酔を打った後の分娩自体はスムーズな方だったのだと思う。

しかし、実は産後入院している一週間、分娩時のパニックがフラッシュバックして目が覚めることが度々あった。それくらい私にとっては強烈な出来事だった。

麻酔を打とうとしなければパニックは起こらなかったのか?とか、そもそも自然分娩をされている方もたくさんいるなかで、薬を飲んでまで麻酔を打たなければいけなかったのか?と思った時もある。

でもあの瞬間は心身ともに限界で、薬を飲んででも麻酔を打たないと、あれ以上は耐えられる気がしなかったというのが本音だ。
結果として、麻酔後は本当に痛みがほぼなくスムーズなお産だったので、これで良かったのだと思うことにした。

もうすぐ出産して半年が経つ。
それなのにこんな詳細なレポが書けたのは、あの日の私が、出来事の一部始終をスマホにメモしていたからだ。あの極限状態でよくもこう細かくメモしていたなと自分でも驚く。でもきっと、記録しておかなければ、という強い気持ちがあったんだろうな、あのときの私には。

だから、こうしてかろうじて当日のことが思い出せるうちにきちんと文章に起こせて良かった。自己満足ですが。

これが誰かの役にたつかは分からないけれど(結構特殊だし)、へーこんな出産をした人もいるんだな、と思ってもらえたら幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

が、ここに書ききれなかった産後のこととか、入院中のこととか、里帰り中のあれこれとか。また追い追い書いていきたいと思いますので、もし良かったらまた遊びに来てください。

一旦おしまい。

掲載元:パニック障害の出産レポ⑤パニックを乗り越え、ついに出産|あやを / 新米母ちゃんライター|note

ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。