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【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#5

怒涛のラストスパート

事前に聞いてはいたが、麻酔はセルフ式だった。
痛くなってきたら自分でボタンを押して麻酔を追加するのである。一度押すと、そこから一定時間は追加で押すことができなくなっていた。確か1、2度だけ自分で追加したと思う。

夜間は、抗生剤を入れたり、血圧はかったり、心拍とハリの状況を見たりと相変わらず落ち着かなかったが、痛みがなくなったことでようやく仮眠がとれた。(後から聞いた話だが、私はこの時いびきをかいて寝ていたらしい。)

深夜、突然助産師さんがバタバタと部屋に入ってきた。急に赤ちゃんの心拍が下がったらしい。

「赤ちゃんが苦しそうなので酸素マスクつけますね!」と突然口元にマスクをつけられた。普段だったら、酸素マスクというワードを聞いただけでドキドキしてくるところだが、このときは平常心だったので自分でも驚いた。薬が効いていたのだと思う。

からだの向きを変えると心拍が戻り、一安心。このとき、やや痛みが出てきたことを伝えると、麻酔科医によって麻酔が追加された。寝たり起きたりを繰り返すうちに夜が明け、体がまた少しだけ痛くなってきた。

6時半ごろ、内診があった。

「あれ…全開ですね

え?!

なんと、ここにきて子宮口が全開。道理で痛くなってきたわけだ。でもこのときの私は「本当は今すごい陣痛が来ているんだろうな〜」とわりと冷静に考えていた。

「破膜させますね」と言って先生が子宮に手をつっこんだ。麻酔をしているのでよく分からなかったが、無事それで膜は破られたらしい。

7時頃、陣痛促進剤を投与すると、ハリが急に強くなったのが分かった。肋骨とおしりのあたりが痛くなってきたことを伝えると、麻酔がさらに追加された。

8時頃、助産師さんがまた交代する。夜通し診てくれていた助産師さんから「もう産むだけだからね!」と声をかけられ気合が入った。

「よーし産むぞ〜」ってな感じで入ってきた新しい助産師さん。この人は出勤して数時間で子どもを取り上げるんだなあ…とこれまた他人事のように思ったりした。

促進剤追加を追加すると、ぐぐぐと下の方に赤ちゃんがおりてくるのが感じられた。

そして再び内診。
「あら、赤ちゃんもうそこまで来てるね!」

赤ちゃんが入り口に挟まってるのが自分でも分かった。麻酔をしていて痛みはないのに、挟まっている感覚や助産師さんが子宮口を触る感覚はあるのが不思議だ。

9時頃、ついに分娩体制に入る。助産師さんといきむ練習を数回し、そして本番。助産師さんの声かけのタイミングに合わせていきんだ。

途中「もう髪の毛触れるよ!触ってみる?」と言われ、思わず「触りたい!」と言って自分の股間(言い方)に手をやると、ぬめっとしたものに触れた。

髪の毛だ!赤ちゃんの髪の毛だ!
初めて触れた我が子(こんな触れ方って)に、かなり興奮。こんな余裕があるのも麻酔分娩ならではなのだろう。

助産師さんが私の子宮に両手を入れて、ろくろをまわすような手つきで赤ちゃんの頭のまわりを撫でているのが分かる。

先生は横に立っているだけで特に何もしていなかったので「先生って何もしないんだな〜」と思いながら見ていると、急に声をかけられた。

「会陰切開しますね」

おおおおおおお。そのためにいたのか(そのためだけではない)。

会陰切開をしたくなくて、臨月は毎日会陰マッサージをしていたというのに…。当然ながら断る選択肢はないので、お願いしますと言って、せめて切るところが視界に入らないようにと天井を見上げた。

ちなみにこのとき、助産師さんの手の動きはきちんと感じていたので、切開の痛みもあるのではとかなりビビっていたのだが、全く痛みはなかった。
麻酔、神。(二度目)

そして、その後数回いきむと…

どるぅん。

オギャーーーーーーー!!!!!

9時28分、ついに我が子が誕生した。

ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。