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【LDR】想定外も!パニック障害の出産レポート#3

前回の記事はこちら

この度、10月27日に無事女の子を出産した。

出産レポ①〜②でも書いた通り、私はパニック障害である。
だから出産に際しては「分娩中にパニック発作が起きないか」
ということが一番の不安だった。

今回は、病院に到着してから麻酔を打つまでの出来事について綴りたいと思う。

入院直後に想定外のパニック症状

病院へ着くと、すぐにLDRへ通された。事前に聞いていた通り、窓のある部屋だったので一安心。

来院前の電話では「陣痛の具合によっては一旦お帰りいただく可能性もありますよ」と言われていたが、尿検査、NST、内診などを行った結果、無事入院できることになった。このとき、陣痛は約7分間隔になっていた。

その後、既往歴のヒアリングがあり、改めてその日担当の助産師さんにパニック障害について説明した。薬があれば病院側で一旦預りますとのことだったので、発作が出たときに飲む頓服薬を提出した。

薬については、妊娠中は一度も飲んでいなかった(発作が出る場所を回避して生活していた)ので、分娩中も極力飲みたくないと思っていた。

だが事前の面談で、助産師さんから「万が一発作が出た時のお守りにしておきましょう」と言われていたので当日持参したのだ。薬を助産師さんに手渡しながら、使わずに分娩を終えられるといいな…と思った。

入院が決まると、まずバーコードがついたリストバンドをするのだが、かなりドキドキした。これは完全に想定外だった。

パニック障害の対象というのは実に不思議なもので、私は「身動きがとれない、逃げられない」ことに対して発作が出やすいのだが、この「ハサミで切らないと外せないリストバンド」に身動きの取れない恐怖を感じてしまうのである。

こんなの外そうと思えばいつでも外せるし、何ならつけたままだって逃げられるのに、本当に自分でも不思議だ。
これを読んでいるパニック障害ではない方が、えーなんで?と思うのと同じくらい私自身もえーなんで?と思っている。思っているのに怖いものは怖いのがパニック障害なのだ。

そしてリストバンド以上に嫌だったのが点滴だ。こちらは、実際に点滴をしている最中は行動が制限されるので、事前にある程度予測できていたが、やはり針を刺すときには動悸が激しくなった。

幸い、リストバンドも点滴も発作が出るほどではなかったので ”大丈夫大丈夫” と自分に言い聞かせることでその場をしのいだ。しかし序盤からこの調子なので、先が思いやられるのだった…。

麻酔までの長い道のり

時刻は10時半をまわっていた。助産師さんから、麻酔を打つのは子宮口が3cmになってからだという説明を受けた。早く打ってしまうと、分娩が長期化するし、最悪帝王切開になる恐れもあるとのことだったので、素直に従った。ちなみにその時の私の子宮口は1cmだった。

その後助産師さんから「陣痛を促すためにまずは廊下を10往復してみましょう」とにっこり言われた。

スパルタ。
このときすでにそこそこの陣痛が来ていたのだが、真面目な性格なので、陣痛が来る度にうずくまりながらも、私は言われた通りきっちり10往復した。

なんとか10往復を終え助産師さんにその旨を伝えると、
「え〜本当に10往復したんですか!?えらい!」と言われた。
なんだろう、このちょっとモヤっとした感情は。

気を取り直して11時過ぎ、この時の私は麻酔をいつ打ってくれるのかということで頭がいっぱいだったのだが、再度NSTを行ったところ、期待に反して陣痛の間隔は全然縮まっていなかった。それどころか、9分だったり10分だったりと、病院到着時より若干開いてしまっている。

助産師さんからとりあえずお昼ご飯は食べましょうと言われた。食後2時間は麻酔ができないと聞いていたので躊躇ったが、助産師さんの勢いに押され結局食べることに。陣痛が強くなってきており、痛みの波がきているときは食べることが出来ず、しんどいランチタイムだった。

14時頃、心拍の確認があった。赤ちゃんは元気に動いている、が、陣痛の間隔がいっこうに短くならない。12時半に昼食を食べ終えているので、最短で麻酔が打てるのは2時間後の14時半以降ということになる。陣痛の間隔こそ短くならないが、痛みは明らかに増していた。

もう麻酔打ちたい…今すぐにでも麻酔打ちたい…あと30分も待てない…と思っていたところへ助産師さんが登場した。

「お昼何時に食べ終わりましたっけ?」

12時です!(本当は12時半だけど)と言おうとしたところでまたも陣痛に襲われなかなか返答ができない。そんな私を見るに見かねて、夫が口を開いた。
夫「12時半です」
私「12時だよ!!」(食い気味に)
この時私は、痛みをこらえながら相当な剣幕で夫を睨んでいたと思う。(当然夫は悪くない)

しかしそんな私の心配を他所に、助産師さんはさらりと言った。
「この感じだと麻酔は早くて17時くらいですかね」

17時だと?!!!!!!!!
あと30分も待てないと思っているところに、信じられない言葉。ここで私の心は一旦ポキリと折れ、放心状態となる。

このときの痛みについて、私はスマホに「腰 ハンマー」と記録していた。(暗号か?)

ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。