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出産前に知っておきたい公的支援。「産前産後・家事育児支援」と「産後母子ケア」

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、里帰り出産を控えたり家族以外に支援を求めづらくなっている今、産前産後の公的支援が拡充しています。

「産前産後・家事育児支援」「産後母子ケア」をご存知ですか?「産前産後・家事育児支援」は、産前産後の家事・育児のヘルパーを利用するサポートをします。「産後母子ケア」は、産後のお母さんの体調回復と赤ちゃんのお世話を支援する取り組みで、「宿泊」「日帰り」「訪問」「外来」があります。どちらも、自治体がサービス費用を助成する事業です。
受けられるサービスや助成内容は自治体ごとに異なりますが、共通しているのは、事前申請と審査が必要なことです。
妊産婦さんが困ったとき、できれば困る前にサービスを利用できるように、「産前産後・家事育児支援」と「産後母子ケア」について、神奈川県横浜市と東京23区の情報をまとめました。「費用が助成されるなら利用したかった!」という声も聞きますので、この機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。

※2021年(令和3年)10月時点の内容です。

横浜市の「産前産後・家事育児支援」と「産後母子ケア」

横浜市では、「産前産後ヘルパー」や「産後母子ケア」を利用すると、費用を助成する事業が始まっています。令和4年3月31日までの期間限定措置なので、対象の方は一度、横浜市の下記サイトをチェックしてみてください。

新型コロナウイルス感染症の流行下における育児等支援サービス費用の助成について

東京23区「産前産後・家事育児支援」の種類と申請方法は?

 東京23区の「産前産後・家事育児支援」の種類と申請方法、問い合わせ先をまとめました。産前の支援を提供している区では、母子手帳交付時に冊子等で案内をしています。産後支援や家事支援のみの区もあるので、詳細は自治体に確認していただけると安心です。表内の区名に、問い合わせ先のリンクを貼っています。

区  支援の種類申請方法
千代田区産前産後/育児母子手帳交付後、利用開始希望日の1か月〜1週間前までに児童・家庭支援センターへ申し込む。
中央区産前産後/家事・育児母子手帳交付時に申請可。窓口では即日、郵送の場合は10日ほどかかる。
港区産前産後/家事・育児
母子手帳交付時に申請可。10日程度で決定通知書等が届く。訪問希望日の10日前までに事業者へ直接申し込む。
新宿区産前産後/家事・育児母子手帳交付時に申請可。利用決定まで概ね2週間ほどかかる。
文京区産後/家事・育児出産後、書類を窓口・郵送・電子申請のいずれかの方法で提出。
台東区産前産後/家事・育児母子手帳交付時に申請可。内容と家庭状況を確認し、概ね1週間後に区から書類を送付。
墨田区産前産後/家事母子手帳交付後、利用開始希望日の1か月前から申請受付。
江東産前産後/家事・育児母子手帳交付後、社会福祉協議会へ問い合わせる。 
品川区産後/家事・育児出産後、品川区の提携事業者(産後ドゥーラ)から事業者を選択して、直接事業者へ連絡。
目黒区産前産後/家事・育児出産予定日の2か月前から申請を受付。
大田区産後/家事・育児出産後に申請
世田谷区産前産後/家事・育児妊娠期面接を受けると、地域の産前・産後サービスが利用できるせたがや子育て利用券(額面1万円分)が渡される。妊婦期面接は28日前から予約可能。
渋谷区産前産後/家事・育児母子手帳交付後、子ども家庭支援センター(来所・郵送・LINE)で登録申請を受付。 概ね1週間程度で申請者あてに「登録完了通知書」を送付。 すぐに予約をしたい場合は、申請受付時に連絡が必要。
中野区産後/家事・育児出産後に申請。
杉並区産前産後/家事・育児妊娠がわかった時点から利用申請。
豊島区産前産後/家事・育児母子手帳交付後子ども家庭支援センターへ連絡。担当者が来宅し申請開始。
北区産前産後/家事・育児母子手帳交付後、利用開始希望日の1か月前から利用日の1週間前までに事前登録。産前の場合は、出産予定日の1か月前から利用可能。
荒川区産後・家事育児出産後に申請。電話またはメールで、支援希望の旨と、氏名・電話番号・住所・お子さんのお名前・生年月日(予定日)伝える。出産前に予約も可能。
板橋区産前産後/家事・育児母子手帳交付時に申請可。
練馬区産前産後/家事・育児母子手帳交付後、子ども家庭支援センターへ「利用申請書」を提出。利用が決まると「利用承認通知書」と「事業者リスト」が送付される。事業者に直接電話で申し込む。ホームヘルパーの訪問後、事業所へ自己負担額を支払う。
足立区産前産後/家事(育児支援は別サービスあり)母子手帳交付後、利用案内を確認して近くの事業者に連絡。
葛飾区産前産後/家事母子手帳交付時に申請可。会員登録(有料)が必要。詳細は葛飾区社会福祉協議会へ。
江戸川区産後/家事・育児出産後に電話かメールで利用申込み。訪問面談の予約を取る。

東京23区「産後母子ケア」の種類と申請方法は?

 産後母子ケアの種類と申請時期をまとめました。概ね妊娠7〜8ヶ月以降に申請できますが、宿泊・日帰り・訪問・外来によって申請方法が違います。自治体の問い合わせ先は、表内の太字部分にリンクを貼っています。

区  種類申請時期
千代田区宿泊/訪問申請は妊娠7か月以降。申請から結果通知まで20日前後かかる。
中央区宿泊妊娠8か月から、利用日2週間前まで申請が可能。
港区
宿泊妊娠8か月~利用日14日前まで申請可能。審査後、申請から約1週間後に利用登録決定通知書が自宅に郵送される。
新宿区
宿泊妊娠8か月(28週)以降、担当保健センターの窓口もしくは郵送で申請。
文京区宿泊妊娠8か月(妊娠28週)以降に、管轄の保健サービスセンター窓口にて利用登録申請。
台東区宿泊/日帰り/外来/訪問妊娠8ヶ月以降に申請可能。申請後、利用承認決定まで最短で1週間程度。
墨田宿泊/外来/訪問宿泊型産後ケアは、原則妊娠中の申請が必要。外来型、訪問型も、妊娠中に申請すると産後必要な時にスムーズに利用できる。
江東区
宿泊/日帰り/訪問/外来妊娠 28 週以降、妊娠中に申請が必要。※出産後に利用申請する場合は、保健相談所へ問い合わせ。 
品川区宿泊/日帰り/訪問産後、保健センターで面談による事前申込み(予約制)が必要。
目黒区宿泊/日帰り/訪問妊娠8か月(妊娠28週)以降、利用希望日の2週間前まで利用登録申請を受付。
大田区宿泊/日帰り/訪問原則、産前(妊娠28週以降から利用開始希望日の7日前まで)の申請が必要。
世田谷区宿泊/日帰りおおむね妊娠8か月(妊娠28週)以降に登録申請。
渋谷区宿泊妊娠8か月(28週)より申請可能。利用希望日の14日前までに申請。
中野区宿泊妊娠20週以降に面接の予約。
杉並区

宿泊/日帰り(個人·少人数)妊娠8か月(28週)以降に申請可能。利用予定日の2週間前まで。利用申請書が区に届いてから利用決定まで5日程度かかるため、妊娠中に申請がおすすめ。
豊島区宿泊妊娠28週以降に申請。
宿泊/日帰り妊娠8か月以降申請。
荒川区宿泊/日帰り/訪問おおむね妊娠8か月(妊娠28週)以降に申請。ご家族の方による申請も可能です。
板橋区宿泊/訪問妊娠8か月以降に保健師と面談。
練馬区宿泊/日帰り/訪問出産予定日の5か月前(妊娠20週)から申請可
足立区日帰り利用希望日の属する月の前月1日から15日までに、実施施設のホームページよりお申込み。
葛飾区宿泊/日帰り妊娠25週以降に申請可能。
江戸川区宿泊/日帰り/訪問利用申請が妊娠28週(8か月)から可能。

横浜市や東京23区以外にお住まいの妊婦さんも、自治体の窓口に確認していただくと利用できるサービスがあるかもしれません。この記事が、妊産婦さんやご家族が公的支援を利用するきっかけになりましたら嬉しいです。

執筆・編集:芹田枝里 神奈川県在住の歯科医師。二児の母。

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