【ドイツ】出産記3 -入院中-|りりさん
出産記2に書き忘れましたが、胎盤も見せてもらいました。
出産後にあんなに大きな内臓が体内から出て行ってしまうのだから、
そりゃあ眩暈もしますよね。
1日目
最初は3人部屋を1人で使用できていたが、
じきに帝王切開帰りの女性とで使うことに。
日本の病院のように仕切りのカーテンがないので、プライベートなし。
彼女のだんなさんが来ている時に授乳をするのが、何とも気まずかった。
因みにここは母子完全同室システム。
シャワーの時以外、基本的に赤子を預けてはいけない。
ベッドから降りてコンタクトレンズを外すも、
ものすごい眩暈にやられてベッド脇に倒れる。
看護婦さんに、ベッドから降りるときはナースコールをしなさい、
と怒られた。
トイレに行くにも、2人の看護婦さんに両脇を抱えられながら、
更にパット替えも何もかも、全部していただく。
トイレ中に眩暈がした時には、パンツを下ろしたままの格好で
ベッドまで連れ戻される一幕も。
(しかもその時、隣のベッドの人の旦那さんがいたので、
「はいっ目を閉じてちょうだい!!」と看護婦さんが一喝してた。)
トイレもシャワーも病室内にあったので助かった。
体調がよくなった午後、病院受付で、役所への誕生届け手続きを済ませた。
2日目
運よく、またも部屋を独占できることになる。
普通なら3日目に退院らしいが、シングルマザーなんだし、
もっとゆっくりしていらっしゃい、
と入院続行を勧められる。内心、ラッキーと思う。
息子氏に吸われる乳首が痛い。
「マゾだ、マゾの心境になるんだ…!」
と自分に言い聞かせながら授乳。
マゾの人は乳首を痛めつけられるとしあわせそうなので。
そして分かったのが、自分はマゾにはなれそうもないということだ。
痛いものは痛い。
3日目
午後に、今度は陣痛中の妊婦さんと部屋を共有することになる。
(この日の夜、彼女は新しく産まれた娘さんと一緒に病室へ戻ってきた。)
彼女が分娩室に行ったスキに、入院以来初のシャワーを浴びた。
本当は、出産翌日から浴びて良かったのだが、
体がだるくてそれどころではなかったのだ。
息子氏が、細い線のような血の混じった母乳を吐く。
乳首表面の傷、もしくは乳内部に入り込んでいた細菌さんのせいらしい。
息子氏に害はないから、授乳は続行してね!とのこと。
吸われ始めは乳首が痛いけれど、その時は深呼吸をして痛みを逃すのよ!
と助言をいただく。
ノーブラで歩くとパジャマ表面に乳染みができ、
さらに乳首が服にこすれて痛いので
授乳ブラとパット装着。非常に快適なので、非常に幸福になる。
U2がある。
息子氏は医者に、元気におしっこをひっかけていたが
医者も慣れたもので、すばやい反射神経で後ろへ飛びのき、
おしっこを避けていた。
めちゃくちゃ健康です、と太鼓判を押される。
さすがアプガースコア10/10(`・ω・´)
あなたを誇りに思うよ、息子氏。
4日目
(私の)お通じを強制的に出すために、座薬を処方される。
人生初の座薬は即行効き、イボンヌを悪化させるに至ったので、
そこへ更に軟膏ももらう。
痔が酷くなるか便秘になるか究極の選択ではあったが、
個人的には便秘を選びたかった。痔、いたい。
今日こそ退院かと思いきや、ええー、明日にしなよ、ねえ?と
医者と看護婦に勧められるがまま、明日まで残ることになる。
(入院費用も何もかも保険会社が全部払ってくれるので、心置きなく。)
ナースステーションで看護婦さんと共に、
息子氏にうつぶせをさせていたら
「あら、あごが可愛い…」
と、通りすがりのお母さんにうっとりされる。
息子氏のチャームポイントは、あごらしいことが判明した。
そういわれてみると、かわいい。
それにしても、顔じゃなくて、あごがかわいいんだね!顔じゃないんだね!
5日目
縫合の治り具合を見てもらい、痔は6週間以内には治ると思います、
と診断されて退院。
退院は、したい時に勝手に荷物をまとめて、
受付で「退院します」と一言告げてさようなら、でいいらしい。
面倒臭くないので、素晴らしいと思った。
*
機材がとても古い病院だったが、
看護婦さんのきめ細かい気配りが素晴らしかった。
日本の病院でもまずないんじゃないか、
というくらいに色々と気遣ってくれるし、
痛いといえば軟膏をまるごとくれるわ、
シングルマザー支援協会の人を派遣してくれるわ(頼んでないのに)、
居心地がよすぎて、もっと滞在したいと思ってしまったくらいだ。
ネット上では評価が悪かったこの病院だったが、最高だった。
第2子を産むとしても、この病院に来たい!
ということで、出産記は終わりです。
ドイツ病院のご飯のようすもそのうちに少し触れたいと思います。
*
生後2週間経った息子氏、早速もう顔つきが変わってきた。
やっと私に似てきたので、安心している。
2週間でこれだけ成長されてしまうと、自分が取り残されたような気分になる。
一緒に成長していきたいものだ。
ママーレコーレ編集部
ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。