【普通分娩】パパが記録する初産の流れ。オーストリアでは、ヘバメさんと共に―前編―
今回ご紹介するのは、2020年8月にオーストリアで初産を迎えた、新米パパ・むぎちょこさんご夫婦の出産レポです。ドイツやオーストリアでは、妊婦さんが助産師さんを雇うそうです。オーストリアならではのお産風景を、ぜひご覧ください。
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オーストリアでは、出産が決まると助産師さん(Hebamme;ヘバメ)を雇います。通院している病院に助産師さんがいるのではなく、自分たちの助産師さんがいるのです。ヘバメさんが産前から産後にかけて面倒を見てくれるのは、新米パパ/ママには特に優しいシステム。料金は保険が適用されるので無料(※)です。
(※)公的保険に加えプライベート保険に追加で入っていた場合、そのプランによって実質無料になる計算です。なお、ヘバメさんによって価格が異なります。
日本では10分間隔になったら病院へ行くのが一般的のようですが、オーストリアでは、3~4分間隔になったら病院に移動します。
オーストリアの人はちょっとオーバーで、「早く病院に連れて行って!」と本来より早めに病院入りすることも多いそう。なので、「私はお産に12時間もかかったのよ」と話す方もいるのだとか。
「そんなに長くなることはありませんよ、ハハハ!」と担当のヘバメさんは笑いますが、妻の初産はどうなるのでしょうか。
目次
- 午前2時半:陣痛始まる
- 午前7時:ヘバメさん到着
- 午前9時半:病院へ
- 午前10時頃:産婦人科の先生到着
- 午後1時頃:陣痛促進剤を使う
【後編へ】 - 夕方:逆さづりの妻
- 晩:気張りたい妻
- 午後11時半:ようやく10cmに近づく子宮口
- 午前0時過ぎ:産まれる
- 泣かない子
- 午前2時過ぎ:部屋へ
- 早朝:授乳訓練
- 昼前:家族への報告
1.午前2時半:陣痛始まる
妻に「陣痛が始まったかも」と起こされた午前2時。当たり前ですが人生で初めての経験なので、「これは本当に陣痛だろうか?」と夫婦ともども確信が持てません。
ヘバメさんから「陣痛はリラックスしているとき、例えば眠っている深夜に始まることが多いです」と教わっていた通り!しばらく様子を見て、やっぱり陣痛だろうということでヘバメさんに電話することに。
ヘバメさん「1時間後に、陣痛の間隔がどう変化したかまた電話して下さ~い。」
うん、ここまでは予定通りだ。スマホに入れたアプリで間隔を記録しながら、1時間が経過したので再度電話をかける。
ヘバメさん「まだかかりますね。また1時間後に電話して下さ~い。」
このやり取りを、陣痛の間隔が短くなるまで繰り返しました。
この日は、いつもと変わらない日でした。なんなら、ちょっと前までカフェに行っていたくらい。それが今は、数十分おきにしんどそうにする妻。「痛い」と言われたところを指で押す私。グーにしてみたり、指で押してみたり、痛みを紛らわせます。
2.午前7時:ヘバメさん到着
陣痛の間隔がいよいよ短くなってきた頃。
ヘバメさん「お家に行ってもいいですか?」
私たち「是非!お願いします!!」
こうして早朝、ヘバメさんに家に来ていただくことになりました。誰かいてくれるのは、心強いものです。
「使いますか?」と差し出されたのは、陣痛緩和用の装置。電気刺激で、陣痛を気にしないようにするための機器のようです。なるほど、これは手でやるより手っ取り早い。そう思っていたのですが、かゆいところには手が届かず。結局は手でも続けることに。
しばらく耐え忍んだあと、ヘバメさんの判断で、午前9時半頃に病院へ。いよいよです!
3.午前9時半:病院へ
「もしかして、ヘバメさんに病院まで連れて行ってもらえるのか?」という淡い期待をよそに、ヘバメさんは一度自宅に寄るとのこと。私たちはタクシーで病院へ向かいます。
病院の入り口では、コロナ対策で体温計測とアンケートを行っているところでした。妻は「座っておきたい」と、力なく休憩用の椅子に座ります。
体温を測っていたお医者さんが、その様子を見て「出産ですか?車椅子いりますか?」と親切に駆け寄ってくれました。恥ずかしながら私は、この時に初めて「おっと車椅子とは。これはなかなか大ごとだ」と実感したのでした。
そうこうしていると、病院の奥から、手術着の女性が車椅子を押して颯爽と駆けつけてくれました。ヘバメさんです。普段とは違う緑色の服装に、近づくまで気がつきませんでした。
ヘバメさん「ここが泊まる部屋です。荷物は置いて、貴重品を持って分娩室に行きます!」
車椅子のまま運ばれる妻と、ただ追いかけるだけの私。
「今日が赤ちゃんの誕生日ですね~♪」と、やけにご機嫌なヘバメさんの言葉を聞いて、私たち夫婦はやっと実感したのでした。
分娩室に入って安心したのか、妻は心なしか少し落ち着いた様子。
ヘバメさん「これが分娩台で、あっちがトイレです。水飲みますか?フリーです♪」
私「あのお風呂みたいなものは?」
ヘバメさん「あれは、水中出産用のタブです。」
私は水中出産という名前から、プールみたいな広い空間を想像していました。でも実際は、ただの大きめのバスタブ。場合によっては、普通分娩から水中出産に切り替えるとのこと。そりゃそうだ。つかまるところくらい必要だから、バスタブサイズでないと出産できない。
4.午前10時頃:産婦人科の先生到着
子宮口の大きさは定期的に告げられます。10cmあれば赤ちゃんの頭が通るということですが、まだ4cm。病院にあったイガイガボールを借りて、妻の腰や腿を押し続けます。このイガイガボールは効くようなので、おススメです!
そんな中、かかりつけの産婦人科の先生が到着。ヘバメさんと一通り話した後「まだかかるね」という感じで、部屋を出ていかれた。
「まだかかるのか~(汗)」。陣痛に苦しむ妻と深夜からずっと腰を押し続ける私は、さすがに少し疲れが出てきた…。
5.午後1時頃:陣痛促進剤を使う
先生「元気?」
私たち「なんとか…」
先生「深夜までかかるね。」
私たち「え?」
ということで、妻の体力を回復させるため、軽い痛み止めを投与して眠ってもらうことに。とはいえ陣痛が起きる度に起きており、陣痛の短い合間に繰り返し寝ただけ。体力がある程度回復したところで、陣痛促進剤を使って子宮口の開きがよくなることを期待する、というのが先生方の作戦だった。
いよいよお産が始まります。後編はこちら⇒https://mamarecolle.com/?p=4094
元の記事:
https://note.com/mugichoko445/n/n8c1658dcca22
ママーレコーレ編集部
ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。