【無痛分娩】出産予定日に“気胸”が再発した初産婦。4コマで伝える無痛分娩―出産編―

AM6:00　起床
夜中は2回ほどトイレに立ったけど、よく眠れた方だと思う。血圧と体温を測り、起床5分で「すみません！今すぐLDR室移動できますか！？」とドタバタする看護士さん。トイレにはなんとか行かせてもらい、顔すら洗うこともかなわずLDR室へ連行、NST拘束。
おなかの張りや痛みは、この時点で特になし。

AM7:30　子宮口は2cm　バルーン挿入
子宮口は2cmくらい開いているそう。まだまだなので、棒を抜きバルーン挿入。

処置は、棒の時のような工事現場感はまったくなく、静かに執り行われた。それ以外の雰囲気は、ラミナリアとほぼ同じ。「棒は抜く時も痛い」という予備知識はあったものの、私の場合はいつ抜かれたのかもわからない程度。
バルーンをグン！と入れられるときは、突き上げられるパワーがすごくて声が出なかった。こちらも10分程度の処置。
起き上がるとめっちゃ下腹部の圧迫感がすごくて、て、いてててて！血もそこそこ出ていて、道のりの長さを知る。

AM8:00
２～３分おきに、おなかの張りと、下痢の時のような、キューッと動けなくなるくらいの痛みが押し寄せてくる。まだ陣痛促進剤いれてないのに…。
空腹感はあったので、痛みと痛みの間に朝食を済ませる。バルーンを入れたため、抗生物質の点滴開始。私の血管は、血やルートをとろうとするとすぐ逃げてしまう。3人目の熟練っぽそうなベテラン看護士さんが、やっと点滴を入れてくれました。難儀な血管でごめんなさい。

AM9:55　促進剤点滴開始
ついに陣痛促進剤の点滴開始。最初は「１０」らしい（単位はわからない）。
早速２～３分おきに痛みがくる。さっきよりも明らかに、お腹が超痛い。
とにかく息を吐くことに集中。ふぅ〜っとしていると痛みが少しやわらぐ。

PM12:30　子宮口は3〜4cm　促進剤追加
痛みがさらに強くなる。吐く呼吸を意識。2分おきにおなかが張り、痛みが来るのでつらい。痛みを乗り越えるのでいっぱいいっぱいで何もできない。とにかく痛みの波がきて、息を吐いて痛みを逃がし、痛みが引いていったら1分ほど休憩し、次の波がくる。これが永遠と続く。地獄か。

PM13:45　子宮口は4〜5cm
陣痛促進剤は「20」にレベルアップ（相変わらず単位はわからないが、増えるほど痛みも強くなる）。

PM14:30　子宮口は5～6cm　陣痛やばい
2分間隔の陣痛サーフィンが始まって既に4時間半経過している私は、脂汗ギトギト。バルーンが抜けていた！子宮口は5～6cmくらい。陣痛やばい。
痛みと痛みの間の休憩時間の痛みが、午前中の陣痛MAXくらいになっている。
１トンの鉄球を下腹部にズドンと2分おきに落っことされているみたい。下腹部がベコンとなっていそう（張ってるのに）。腰も骨盤もみしみし痛い。陣痛促進剤は「３０」にレベルアップ。

PM15:30
「３０」にレベルアップしたからか、間隔が1分半～2分おきに短くなった。痛くて痛くて、息を吐くだけでいっぱいいっぱい。朝から2分間隔で痛みに耐えるなんて自然陣痛ではないことだ。自然陣痛なら最後の8～10cmあたりに2分間隔の陣痛が1時間くらい続くそうだ。もう7時間半耐えてます…

主治医から、「麻酔をするなら、時間的に今がラストチャンスだよ」と告げられる。朦朧とする意識の中で、以下の提案をされた。
１．日中の半分量の麻酔を入れ、17時まで陣痛促進剤の点滴を続ける。一晩麻酔を使いながら過ごす。
２．いま陣痛促進剤をやめて明日に備える。一晩痛みは続くと思う。麻酔は明日の朝から。

「無痛分娩の料金は2日分になってしまうけど、この痛みを一晩乗り越えるのは辛そう。ちなみに今現在の痛みはこの先のMAXの痛みのまだ5割くらいだよ」という主治医の言葉を聞いて、心が折れる。
2分おきにくる1トンの鉄球（そして今後これが2トン、5トンと増えるのだろう）を、一晩受け止め続けることなんて想像もできず、今すぐ麻酔を希望。
2日分？金で解決できるならいくらでも持っていけ！というか保険きけや！国！！

PM16:00　麻酔挿入と破水
背中に麻酔のチューブを入れてもらう。ものの20分くらいで今までの地獄のような痛みがスーッと消え、1トンの鉄球は姿をくらました。ちなみに、日中使える麻酔の半分の量でこの効き目。
さすが背中チューブ！背中に管入れるときに体をまるめるんだけど、麻酔科の先生の説明を待たず、正しい姿勢をとれたことを褒められました。まかせて。
痛みが消え辺りを見回す余裕ができると、麻酔科の先生に後光がさしているように見えた。
神様…ありがとう…麻酔を作り出してくれた人…ありがとう………
無事人間らしさを取り戻したところで小休憩。痛みも引き身体を動かすことができるようになったので起き上がると股からバシャーッ！という感覚が。
破水？！
陣痛促進剤の点滴を止めても、破水したら自然の陣痛がくる可能性大とのこと。麻酔を入れてもらって正解だった。

PM 18:30
麻酔のおかげで食事が取れた。そういやお昼ご飯はどこにいったんだろう？たぶん運ばれていたような気はするが…痛すぎて記憶にない……。食事中も張りがあって、NSTを見てみたら張りの数値が127（※6）になっていた。

(※6)NST数値の私基準は、ざっくりこんな感じ(痛覚には個人差が大きくあります)。
0〜20 → 痛くない。お腹が張っていない状態
30〜40　→　キューッとお腹が張った時
70〜80　→ 　かなり痛いけど我慢できる（クソ重い生理痛）
100〜120　→　クソ痛い、バーとか何か握り締めてフゥーッと息を吐くだけでいっぱいいっぱい、時々呻き声が口から出てしまう
120〜140 → 1トンの鉄球を下腹部に落とされる(しぬ)
140〜 → しぬ

少し痛みもあるけど、麻酔しているのにこの痛み？麻酔していなかったら1000000000％死んでるって思った。ちなみに、麻酔入れる直前の夕方にNSTの数値は159まで観測している。

食事を終えた後、強く張った時の痛みが最初くらいのレベルになったので、歯磨きついでに助産師さんに報告。診察してもらったら子宮口が7〜8cmになってるかもとのこと。お産がすすんでる！

PM22:00　子宮口7〜8cm
時々キューッと張りと痛みはあるけど、麻酔のおかげで全然耐えられるし、ウトウトできるレベル。
診察の結果、さっきとほぼ変わらず7〜8cm程度。頭の位置も高いらしいので、まだ降りてくるには時間がかかりそう。赤ちゃんも頑張ってるのかな。
無痛分娩2日分…15万円(※7)…独身時代に貯めた貯蓄から捻出しよう…(今更我に返る)。

(※7)この病院では無痛分娩は＋10万。翌日持ち越すと更に＋5万って感じ。