ピジョンも支援する「母乳バンク」とは?2021年度、ドナーミルクを利用する赤ちゃんは500人の見込み 

「母乳バンク」をご存知ですか?名前は聞いたことがあっても、内容はなかなか知られていないかもしれません。
「母乳バンク」は、母乳を必要とする早産・極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が、お母さんから母乳を得られない場合、医療機関からの要請に応じ、寄付された母乳を処理した「ドナーミルク」を提供する施設のことです。

ピジョンが2021年に実施した「母乳バンクに関する意識調査結果」によると「母乳バンクの寄付をしてみたいと思いますか?」という設問に、「寄付をしてみたい」と回答したのは64.7%でした。「母乳バンク」について、ぜひご一読ください。

ピジョンが全面的に支援した「日本橋 母乳バンク」の開設から1年。日本における母乳バンクの普及に向けて支援活動をさらに拡充

 ピジョン株式会社は、「ちいさな産声サポートプロジェクト」の1つとして、一般社団法人 日本母乳バンク協会の活動に賛同し、2020年からゴールドスポンサーとして支援を開始しました。その活動の一環として、昨年9月に開設を支援した「日本橋 母乳バンク」の稼動により、2020年度は203人の赤ちゃんにドナーミルクを提供し、2021年度には500人まで拡大する見込みとなりました。

■「日本橋 母乳バンク」の実績
日本で最初に開設された「昭和大学江東豊洲病院 母乳バンク」が2021年3月に閉鎖となり、全業務が「日本橋 母乳バンク」に移管されました。現在、ドナーミルク利用病院は36病院へと拡大し(前年度22病院)、2021年度にドナーミルクを利用する赤ちゃんは500人を超える見込みとなり(前年度203人)、着実に実績を積み重ねています。また、ドナー登録者数は2020年度に161名と増加し、前年の約7倍(2019年度24名)になりました。

■2021年母乳バンクに関する意識調査結果
当社では、昨年に続き、現在妊娠されている女性(プレママ)、現在3歳未満のお子さんがいる女性(ママ)合計516名に「母乳バンクに関する意識調査」を行いました。調査結果では「母乳バンクの言葉も内容も知っている」と答えた割合は、昨年より7ポイント増加し2割を超えました。また「言葉を聞いたことがある」割合まで含めると65%を超え、母乳バンクの認知が広がっていることがわかりました。一方、ドナーミルクの利用に関して「抵抗がある」と答えた割合は、前年より改善し6割を切ったものの、依然、抵抗感があることもわかりました。

 当社は、今後も、より多くの方に、より深く正しく母乳バンクを理解いただくための普及啓発活動に取り組んでまいります。また、ドナーミルクを使用したご家族の声を聴く座談会を開催し、ドナーミルクへの抵抗感を減らすための情報発信をしていく他、ドナーの安定的確保のため、主要都市におけるドナー検診施設を順次増やす支援など、日本の母乳バンクの仕組み全体を確立するための包括的なサポート活動を拡充していきます。

■ピジョンの具体的な支援
ピジョンは日本母乳バンク協会のゴールドスポンサーとして、包括的な支援を今後も継続していきます。

■調査結果詳細
本調査は、社会における母乳バンクへ理解の促進を目的に、2020年より実施しています。
<調査概要>
調査対象者:プレママ(現在妊娠されている母親/20~49歳)258名・ママ(現在3歳未満の赤ちゃんを持つ母親/20~49歳)258名 計516名実施期間:2021年7月28日~30日 調査主体:ピジョン株式会社 調査方法:インターネット調査 調査会社:株式会社マクロミル

「母乳バンクへの理解度に関する意識調査」の主要トピック

  • 母乳バンクの認知は広がっているが、ドナーミルクの使用対象者や必要になる場面など、具体的な母乳バンクの仕組みや必要性への理解度において「よく知っている」割合はまだ低い。
  •  自分の子どもにドナーミルクを与えることについては、心情的な理由もあり、依然として抵抗感を示す傾向が見られた。

プレママ・ママにおける母乳バンクの認知度は上昇

・母乳バンクを「言葉も内容も知っている」と回答した割合は20.2%と前年に比べ7ポイント増加。(2020年の調査結果 13.6%)。「言葉を聞いたことがある」割合を含めると65%を超え、母乳バンクの認知が広がっていることがわかりました。
・「どんな赤ちゃんを対象に、どんな場合にドナーミルクが必要となるか」について、「よく知っていた」と「なんとなく知っていた」と回答した人が半数を占めました。(2020年の調査結果 39%)一方で、「よく知っていた」と回答した割合は、約12%程度にとどまっていることから、プレママやママに母乳バンクをより深く正しく理解してもらう必要があることが明らかになりました。

・「もしご自身の赤ちゃんが1,500g未満で生まれ、医師からドナーミルクが必要と判断され利用することになった場合、あなたはどのように思いますか?」という設問について、自分の子どもにドナーミルクを与えることに「抵抗がない」と回答した人は36.6%、「抵抗がある」と回答した人は57.6%でした。6割を切ったものの、依然として抵抗感が強い傾向があることがわかりました。理由としては、「自分以外の母乳を与えることに抵抗があるから」が31.5%。続いて、「ドナーミルクに安全上の不安があるから」が30.2%という結果でした。
・「母乳バンクの寄付をしてみたいと思いますか?」という設問では、母親同士で助け合いたいという気持ちから志願する反応は64.7%を占めました。

 

【参考資料】

■日本橋母乳バンク紹介動画 ※ロングver.では、母乳バンクの仕組みについてわかりやすく説明しています。
ロングver. :https://youtu.be/zsu9eba6pEY / 
ショートver.:https://youtu.be/u5Sq8yp67RA

■母乳バンクとは
 母乳を必要とする早産・極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が自分の母親から母乳を得られない場合、医療機関からの要請に応じ、寄付された母乳を処理した「ドナーミルク」を提供する施設が「母乳バンク」です。当施設では、国際的な運用基準に基づき、母乳の検査や低温殺菌処理を行い、安全に保管、保存することが求められます。また、ドナーミルクは赤ちゃんの医学的な必要性に応じて利用すべきという考えに基づき、無償で提供されています。国内では、2018年からドナーミルクを利用するNICU(新生児集中治療室)が増加しており、国内の需要に見合うだけの母乳バンクの整備と経済的サポートが必要とされています※1。

■母乳・ドナーミルクはなぜ必要なのか
 母乳には、赤ちゃんにとって必要な栄養素がバランスよく、消化しやすい形で含まれており 「最適な栄養食」と言われます。特に、様々な感染症、病気にかかるリスクが高い早産児において、母乳には赤ちゃんの生死にかかわる壊死性腸炎(腸の一部が壊死する病気)に罹患するリスクを、人工乳のおよそ1/3 に低下させる効果があることがわかっており※2、「母乳は薬」とも言われています。また、早産児がかかりやすい未熟児網膜症や慢性肺疾患などの予防に役立つ物質が含まれているほか※3 ・4、長期的な神経発達予後を改善する効果についてのエビデンスも出てきています※5 ・6。しかし、全ての母親が、出産直後から充分な母乳が出るわけではなく、早産となった場合には、母親が必要量の母乳を与えられないこともあります。そのような際に、ドナーミルクを提供することで、上記のような疾患の罹患率と重症度を低下させ、長期的予後の改善を図ることができます。

※1 日本小児科学会雑誌 第123巻 第7号 日本小児医療保健協議会栄養委員会 早産・極低出生体重児の経腸栄養に関する提言
※2 Quigley MA. Henderson G. Anthony MY. et al. Formula milk versus donor breast milk for feeding preterm or low birth weight infants. Cochrane Database Syst Rev. 2007; (4):CD002971.
※3 Patel AL et al. Influence of own mother’s milk on bronchopulmonary dysplasia and costs. Arch Dis Child Fetal Neonat Ed. 2017;102(3):F256-F261.
※4 Zhou J et al. Human milk feeding as a protective factor for retinopathy of prematurity: a meta-analysis. Pediatrics. 2015;136(6):e1576-1586.
※5 Lewandowski AJ et al. Breast milk consumption in preterm neonates and cardiac shape in adulthood. Pediatrics. 2016;138(1):pii:e20160050.
※6 Vohr BR et al. Beneficial effects of breast milk in the neonatal intensive care unit on the developmental outcome of extremely low birth weight infants at 18 months of age. Pediatrics. 2006;118(1):e115-123.

■世界の母乳バンクの現状と日本における母乳バンクの課題
 2002年にWHO(世界保健機構)より「母親の母乳が得られない場合は、ドナーミルクが第一選択である」と推奨されたことをきっかけに、今では世界50カ国以上で600カ所を超える母乳バンクが開設されています。日本では、2017 年に一般社団法人 日本母乳バンク協会が設立され、2019年当時日本に唯一の昭和大学江東豊洲病院内の母乳バンクでは、2018年9月から2019年8月までの1年間において80例に対応しました。しかし、日本においてドナーミルクが必要な赤ちゃんは年間3,000~5,000人と想定され、施設が圧倒的に不足しているのが現状です。一方で、2019年7月には、日本小児医療保健協議会栄養委員会から「自母乳が不足する場合や得られない場合、次の選択肢は認可された母乳バンクで低温殺菌されたドナーミルクである」との提言が出され、母乳バンクの普及が期待されています。

■母乳バンク協会概要 https://jhmba.or.jp/
 日本母乳バンク協会は、日本の新生児医療において「母乳」の活用を促進することを主な目的として2017年5月に設立された一般社団法人です。本協会は「母乳提供者の善意」を基盤に、以下を主な内容として活動をされています。
・提供者の健康チェック
・提供母乳の各種検査(血液検査によるスクリーニング検査を含む)
・提供母乳の安全な保管、保存、その方法の開発
・低出生体重児への母乳の提供
・低出生体重児の母親への母乳育児支援
・周産期医療における効果的な「母乳活用」の研究

元の記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000048454.html

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