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【帝王切開】第一子の妊娠から出産まで#3

前回の記事はこちら

先生の軽快な「では始めますね〜」の声で
始まったと同時に聞こえてくる機械音。

「カチャカチャ」「ピッピッピッ」
「血圧◯です」「異常ありません」
常に何かの音が聞こえていました。

手術開始すぐ、なんとなくだけど
微かにお腹をムニムニされてるような?
触られているような?感覚はあるけど
どこをどう触られているか
何をされているかは全くわからない。

「んー、見てみたい」
と思って顔をあげようとするけど
私の視界からは下腹部が見えないように
シートが張ってあるので早々に諦める。笑

話が逸れますが私は目が非常に悪いです。
0.1もないんです。悲しいことに。
1m先の相手も顔も正直わかりません。
それなのに手術中ってコンタクトNG!
さらにメガネも外さないといけない。
だから何も見えません。笑

目も見えないからこそ何もすることもない。
だから呑気に考えるばかりで
「陣痛も何もない出産ってこんな感じなのか〜」
なんて他人事のように考えていると
「赤ちゃん出ますよ〜」
という看護師さんの声が聞こえたと同時に
「おぎゃー!」
と威勢のいい声が聞こえました。

生まれた瞬間の私といえば
「なんだなんだ、なんか突拍子もない感じだけど生まれたぞ」
というのが正直な感想でした。

そして私に赤ちゃんを見せることなく
看護師さんと思われる人が
赤ちゃん抱っこして連れてったと思ったら
遠くから「きゃー!すごーい!」
とキャッキャッした声が聞こえる。

たぶん1分くらいで赤ちゃん戻ってきて
看護師さんが抱いたまま
仰向けで動けない状態の私の視界でも
赤ちゃんの顔がしっかりと見えるよう
角度変えてくれた後、胸元に置いてくれた。

でも色々と角度変えてくれたけど
結局あんまり見えないし。
最後は胸元に置いてくれましたが
頭頂部しか見えませんでした。笑

そして衝撃の報告だったのがデカさ。
「赤ちゃん4412gもありましたよ!もう産後1ヶ月検診って感じな赤ちゃん。
大きくて楽だね〜。でも何よりママ頑張ったね」

その会話を聞いていた先生が
「お?じゃあ1番じゃない?」
と言った後看護師さんたちも
「調べてみましたけど日本人では1番ですね!」
と言っていて「ん?」と思っていると
横に来た看護師が教えてくれました。

この病院というか産婦人科は当時で設立35年ほど。
今では40年くらいですね。

建て替えはしたばかりで綺麗ですが
建て替え前の設立当初に私の母も
長女・次女をこの産婦人科で出産。
ちなみに私は五女なのですが。笑

その35年近い産婦人科の歴史の中で
私が産んだ赤ちゃんが1番大きいそうです。

でもそれは日本人の赤ちゃんであって
外国籍の方が産んだ赤ちゃんは
さらに大きくて4600gくらいだったと!

しかも自然分娩だったと聞いて驚愕。
看護師さんたちが言うには
「日本人とは身体の作りが違うから4600gでも産めるんだよ。
でもこの子はママじゃいくらなんでも産めないよ。
よかったねカイザーで」

と言われました。カイザー?
介護士だけど用語知らないよと思いながら
後日調べて「帝王切開」の意味でした。

そんな話をしていると…だんだんと。
本当にだんだんと、痛みではないけど
私の身体を触られている?
手術されている感覚が戻ってくる感じ?

今まではなんとなくウネウネ?ムニムニ?
動いていたのがわかるくらいだったのに。

何されているかわからなかったのに
少しずつ感覚が戻り始めていることに気づく。

「先生、麻酔が切れてきたように感じます」
と声を出すとすぐに反応してくださり
「あれ。ほんと?これ痛い?」
と言われたのが、すっごく痛くはないけど
「なんか触られている気はします」と答えると
「つねってるのがわかるということは、麻酔が切れてきたんだね。
追加しますよ〜」と言われました。

その後すぐ麻酔追加。
すると少ししたら感覚が全くわからなくなった。
と同時に、急激な寒気が!

寒気を感じて数秒後には
寒気をマジで耐えられないレベルに。

ガタガタ震えてくるのも感じ
「先生すいません。やけに寒いです」
と伝えようとしたけど実際は
「せ…すみません。」しゃべれない。
唇が意識しても震えが全くおさまらず
はっきり喋れなくなっていました。

でも意識はあって。
どうやって伝えようか悩んでいたら
看護師が私の状態に気がつき。

変化があったことを先生に知らせてくれ
先生がこっちの顔をのぞいてくれた。
「うわ、初めて手術中に先生の顔が見れた」
と思った瞬間、今度は私の両手が勝手に動き出す。

「なんだ?」と思っているうちに
気づけば意識はあるのに頭も勝手に動き始め
視界が揺れる、揺れる。気持ち悪い。寒いし。

看護師たちが一気に騒がしくなり
「痙攣!?」「ちょっときて!」
その発言の直後、一瞬で5人くらい集まり
私に話しかけているけど、答えられない。

もう看護師たちの表情は元々見えないけど
顔を見ることもできないほど。

たぶん時間で言えば数十秒くらいの出来事。
その間に私の身体は、もはや私の身体では
なくなったようにどんどん大振りに痙攣なのか
悪寒なのかわからないけど
とりあえず震えを超えた震えが襲います。

頭も手術台にガンガン打ち付けて
両手も上下に激しく動いているのがわかる。
それを見た看護師たちは、急いで
右手、左手、頭を1人1箇所ずつ抑えてくれた。

抑えてくれてもなかなか止まらず。
でもわかったことは看護師たちが
本気の力で私を抑えつけてました。
なぜわかったのかといえば
指先に入ってる力が結構な力だったから。

先生も結構焦った声で
「みんなちゃんと抑えててね、急いで縫合するから」
と言ってた…そこで私の記憶は途絶えます。

そのあとはもう寒過ぎて覚えてない?
というか、もしかしたら意識を失ったのかも?

たぶん意識がなかったんだと思います。

気付いたら手術は終わってて。
私が目を開けた瞬間ちょうど手術台から
病室のベッドに移乗される瞬間でした。

持ち上げられた反動で目が覚めたみたい。
でもまだ身体の痙攣なのか、震えなのか。
結局止まらないままベッドに移った。

ベッドに移ってからも看護師が1人
私の上に跨った状態で私を抑えながら
他の看護師たちがベッドを運んでくれた。

手術室の扉が開いて主人と母らしき人が見える。
横を通り過ぎる時、目の見えない私でも
わかるほどに驚いていました2人とも。

2人ともたぶん心配してるから声をかけたいけど
私を見てたけど。声も出ないし表情も作れない。

まだ全然両手もバッタンバッタン動くし
頭もベッドに打ち付けているし。歯軋りみたいに
歯も口も勝手に動いちゃってるし。

そんな状況で産後過ごす病室へと運ばれました。

今回もここで一旦終了。

ご覧いただいてありがとうございます♡
3回目で終わる予定でしたが、終わらなかったので…
息子出産話は次回で完結する予定です(^ ^)!






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ママーレコーレ編集部

ママのあれこれを皆でシェアしたい」という想いに共感して集まった、あれこれ肩書きを持った人たち。